NASA「ディープインパクト」~1億キロ彼方の彗星に衝撃弾命中

 よく「人間はイメージできることはすべて実現できる」と言いますが、NASA「ディープインパクト」の映像を見て、その思いがさらに深まりました。NASAのディープインパクト計画は、1億3千万キロ離れた「テンペル彗星」に、直径1メートル/370キロの銅の衝撃弾(インパクター)を打ち込み、その衝撃で飛び散る塵から惑星誕生のメカニズムを解明しようというものです。1億キロを超えた彗星に命中させるというのも驚きですが、衝撃弾が毎秒10キロメートルという猛烈なスピードなのも驚きです(1秒で品川から上野まえで飛ぶ速さです)。

 【NASAディープインパクト画像情報】 【国立天文台情報】 【アストロアーツ情報】。

 NASAと言えば、未だに火星の上で動き続けている探索機オポチュニティとスピリットも気になります。自宅のパソコンから次々に、火星表面の写真が見られる、1億キロ先の彗星の写真が見られるという、すばらしい世の中になりました。………

ちょうど日曜日にNHKスペシャルでも、このディープインパクト計画を多面的に取材していましたが、このプロジェクト知れば知るほど感動します。1億3千万キロ離れた彗星にインパクターを当てるのも難しいけれど、ただ当てればよいというものではなく、観測のためには太陽が当たっている場所でないと意味がないとのこと。ところが、1億3千万キロ先にある縦7Km×横5Kmの富士山より少し大きいぐらいの彗星について予め地図があるわけでもない。また、探査機から地球までの通信には電波で7分半もかかるので地球からリアルタイムに操作することもできない。結局、インパクターは画像を見ながら自律制御により命中までの間に3回の軌道修正を行い、最終的に影のないなだらかな最高の観測ポイントに命中したようです。すごい技術ですね。

ディープインパクト計画のもう一つの狙いは、計画の由来である映画「ディープインパクト」にあったような地球を襲う彗星があった場合に、どのような衝撃弾を当てればその軌道を地球から回避できるかということにあるそうです。

ちなみに、地球生命絶滅の危機になるような彗星衝突は数千万年に1回(6500万年前に恐竜が絶滅したのはそのせいだと言われています)、何らかの大きな影響を及ぼす衝突は数千年に1回あるそうです。また、彗星は普段は決まった軌道を飛んでいるように見えますが、大きさが小さいため、大きな天体のそばを通る時に大きく軌道を変えるそうで、今回ターゲットとなった「テンペル彗星」も昔は木星の外の軌道を通っていたものが木星の近くを飛んだ際に軌道が木星より大きく内側に変わってしまったようです。ちなみに、そういう地球に向かっている衛星だけをウォッチしている望遠鏡がアリゾナにあるようです(The Spacewatch Project)。

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NASA「ディープインパクト」~1億キロ彼方の彗星に衝撃弾命中 への6件のフィードバック

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