インターネット広告に10年関わってきましたが、特にここ数年のインターネット広告の流れは、検索連動型広告により大きく変わりました。今後、ブログの登場により、ますますインターネット・マーケティングは大きく変わっていくことでしょう。インターネットへの接触時間はすでにTV以外のすべてのメディアより多く、この流れはインターネットだけに留まらないトレンドを引き起こすと思われます。
【概要】
1.消費者メディアの影響力増大
1-1.インターネット広告・原始時代
1-2.インターネット広告・戦国時代
1-3.消費者メディアの影響力が増大する新時代
2.小規模広告スペースの束が威力を持つ
2-1.従来型ネット広告販売
2-2.新型ネット広告販売
【詳細】………
1.消費者メディアの影響力増大
下の図は、「インターネット広告の近未来」とタイトルを掲げましたが、実際には、「すでに始まっている新しいインターネット広告の変化」を示しています。ここ10年のインターネット広告の変遷は別紙に記載しますが、この10年の間に3つの変曲点があったと思います。
1-1.インターネット広告・原始時代
基本的に、マスメディアと同じやり方で、トラフィックの大きなサイトの広告を売っていればよい、今思えば平穏な時代でした。とはいっても、「インターネット広告って何ですか?」というところから丁寧に説明しないと売れない、売上規模も小さい苦しい時代でもありました。
1-2.インターネット広告・戦国時代
検索連動型広告やSEOとかで世の中がだんだんにぎやかになってきて、1~2年の短い間にこのマーケットが急成長した時代です。1-1.の時代の商品が順調に伸びていたメディア側に近い企業は、まだまだ小規模な検索連動型広告がどの程度のマーケットになるものか半信半疑だった時もありますが、結果としてものすごい勢いで成長し、同種の顧客を奪い取られたメール広告専業事業者などはかなりのダメージを受けることになりました。
1-3.消費者メディアの影響力が増大する新時代
今までと違う、メディア側媒体にだけ広告や商品情報があった時代から、消費者ブログにも多数の信頼できる消費者目線の情報が多数存在するようになります。そのボリュームも年々大規模になり、その口コミ伝搬スピードは各種ブログ・RSSの機構により加速していくことが予想されます。もはや企業も消費者ブログを無視できない、双方向なコミュニケーション環境となり、従来型のマスメディア的な考え方だけではコミュニケーションを語れない時代が到来します。
2.小規模広告スペースの束が威力を持つ
図は、「従来型のネット広告販売」と、「新型ネット広告販売」のトレンドを表します。市場の拡大と技術の進歩により、従来は広告スペースになりえなかった小規模広告スペースが特定のニッチなテーマにより束ねられることにより、効果的な広告スペースとして活用される時代になりつつあります。
2-1.従来型ネット広告販売
従来我々がやってきた販売スタイルで今でも規模的には主流の広告販売方法です。大規模サイトのブランド力と到達人数の大きさを説明して販売する方法をとりますが、中規模サイトの広告スペースを束ねてアド・ネットワークという形で、大規模な商品として販売することもあります。取引は、主に表示回数や到達人数をベースに販売します。ポータルサイト、ISPサイト、新聞サイトなどの大規模なメディア・サイトの販売はこのスタイルです。
2-2.新型ネット広告販売
サイト単位で販売するのではなく、検索結果やブログ記事のような小規模な広告スペースをコンテンツマッチにより大きく1つに束ねて販売します。主に、クリック数や販売効果などに比例した成果報酬ベースで販売します。検索連動型広告、アフィリエイト広告、ブログ・RSS広告などがこれにあたります。
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ブログ→検索エンジン→マスメディアによる情報伝搬の加速
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