祖父は大阪市内で蓄音機屋「廣屋華聲堂」を営んでいました

Hiroyakaseidou_2 先日、大阪の実家に帰った際に、80才になる父親に google map の航空写真を見せて、戦前に住んでいた大阪市内の家の場所を聞いていたら、「たぶん、この筋のこのあたりやなぁ」と言ったかと思うと、突然、メモ用紙に昔住んでいた家の間取り図を書き始めました。元エンジニアなので、80才になっても定規で丁寧にきっちり書いていきます。
Chikuonki  祖父が昔「蓄音機」を売っていたということは、ずうっと昔に聞いたことがあったものの、それ以上のことは、あまり父親から聞いたことがなかったので、父親が小さい時に死んだ祖父の仕事のことはあまり情報がないのだろうぐらいに思っていたのですが、メモ用紙にしっかり書かれた「廣屋華聲堂」(新字表記:広屋華声堂)という屋号とともに、間取り図の中にある「蓄音機置き場」「蓄音機修理台」「レコード棚」という文字に驚きました。
 「えっ?、お爺ちゃん、レコード屋やったんか?」 昔は、メーカーが音楽プレイヤーのハードとソフトを作り、小売りもハードとソフトの両方を扱う業態だったんですね(今ではこの業態はソニーぐらいでしょうか?)。下記の日本レコード協会の年表によると、父親が生まれた80年前の昭和2年は、日本ビクター蓄音機(株)と、日本ポリドール蓄音機商会が設立され、翌年には日本でも「電気吹き込みによるレコード」(※)が発売された蓄音機普及元年のだったようです。父親に聞いても、店にはこのページにあるようなコロンビア、ビクター、ポリドールの蓄音機が並び、ビクターの懐かしい犬が蓄音機に耳を傾けている置物があったそうです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 蓄音機の歴史 】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1910.1   (株)日本蓄音機商会(現コロムビアミュージックエンタテインメント)設立
1925.4   米コロムビアとビクター、電気吹き込みによるレコード発売
1927.5   日本ポリドール蓄音機商会(現ユニヴァーサル・ミュージック)設立
1927.9   日本ビクター蓄音機(株)設立
1928      日米蓄音機製造、日本発の電気吹き込みによるレコード発売
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
電気吹き込み:レコードの溝から針で拾った振動を電気信号に変換・増幅してスピーカーで再生するタイプ ………<続きを読む>………

Victor 私は祖父がレコード屋を営んでいたとも知らず、サイバーウィングでは 1999年から約6年間、CD/DVD通販サイト"MUSIC NAVI"を運営していました。"MUSIC NAVI"は、i-mode 初のCD/DVD通販サイトでもありました。これも何かの因縁なんでしょうか。私は、父親が電気系エンジニアで、父親が家の配線を自分でいじったり、あれこれ日曜大工をやっていた影響で、小学校の頃から電気工作をやり最終的にコンピュータ工学を専攻したのですが、祖父が蓄音機を売っていたと聞いてもきっと電気屋さんぐらいに思っていたのですが、どうやら祖父も「電気仕掛けのコンテンツ系新しいもん屋」をやっていたようで、今の私が「インターネット広告屋」をやっている現状が、なんだか長い年月をかけて祖父とつながっているような感じを強く受けました。

【参考】蓄音機関連の情報は、このサイトがすばらしいです。今回、この記事を書くのにたいへん参考になりました。




カテゴリー: 日記, 音楽 パーマリンク

祖父は大阪市内で蓄音機屋「廣屋華聲堂」を営んでいました への3件のフィードバック

  1. デジタルな広告たち のコメント:

    ハーマン/カードン社製「サウンドスティックスⅡ」買いました。iPod を毎日いいスピーカーで聞いてます

    サウンドスティックスⅡは期待を裏切らないデザインです。2本のスマートなサテライトと呼ばれるスピーカーとドーム型のコレ何?って感じのサブウーハー。期待以上の音がします。特に、サブウーハーの低音はとてもいいです。音量調整のつまみもサテライトとサブウーハーそれぞれについていますが、サテライト方はスピーカーの下の方に+/-のおしゃれなタッチセンサーがついています。また、電源オンにするとサブウーハーに青紫のランプがぼぉーっとついてドームに反射するのもおしゃれです。…

  2. デジタルな広告たち のコメント:

    谷中銀座への散歩の途中に見つけた弘前市の「お菓子のヒロヤ」

    「谷中銀座」にぶらっと寄ってみることにしました。どってことのない昔風の商店街ですが、確かに味のあるところでした。帰り道、上野駅の構内を歩いていると、「お菓子のヒロヤ」というお店が目に入ってきました。この「お菓子のヒロヤ」というのは、青森県弘前市にある和洋菓子のお店だそうです。…

  3. デジタルな広告たち のコメント:

    上海旅行(11)~「広」の字の漢字のルーツと、日中での略字の差~

    旅行中、「広告」とか「広場」とかにある「広」の文字を車の中からたくさん見て、中国では通常は略字で「まだれ」だけの「广」となっているけれど、固有名詞を中心に旧字の「廣」(「中が黄の廣」)を使っているなと思いました。…

コメントは停止中です。