「マイクロクレジット」~発展途上国の貧困をネット・ビジネスが救う~

Kiva_2  「1口25ドル」のお金を発展途上国の人に、寄付するのではなく、融資するだけで、発展途上国の人のやる気を引出し、貧困を救済することができればいいですよね。しかも、お金を貸している人とネットを通じて心通わせることまでできれば。そんなサイトが、マイクロ・クレジット・サイトの”Kiva”です。
 サイトに行くと、今週1週間で、68万ドルが1600人の発展途上国の起業家に貸し出され、650人がローンを完済し、2700人が新たな貸し手になったと書かれていました。「1口25ドル」という額面が絶妙で、先進国ではお金持ちでなくても「気持ち」があれば始められる額面で、かつ、発展途上国ではビジネスとして役に立つ固まりの金額であるということです。
 "Kiva"では、貸し出したい人の顔写真を見ながら、ビジネスの内容・地域・性別などを選んで絞り込み、クリック一つで25ドルを貸し出せます。その後、その人がちゃんと予定通りに返済していっているかは、本人と実際に接している現地提携のNPO事務所を通じて定期的に報告が入ってきます。現地NPO事務所が貸し手の信用度の審査も行います。途上国での融資とはいえ、その返済率は極めて高いそうです(確かに発展途上国のバイタリティのある人たちに融資するのですから)。………<続く>………

Howkivaworks1  このマイクロ・クレジット(あるいはマイクロ・ファイナンスともいうらしい)に興味を持ったのは5月にNHKで放映していた「社会起業家 ~貧困に挑む新融資ビジネス~」と「社会起業家ビル・ドレイトン  ~世界を動かすチェンジメーカー~」という2つのドキュメンタリー番組がきっかけで、どちらも「社会起業家(ソーシャル・アントレプレナー)」による「マイクロクレジット」をテーマにしていて、特に、前者がインターネットで世の中の貧困を救う可能性を示した“Kiva”というマイクロクレジット・サイトを中心に番組が構成されていたので、一度これについて調べてみたいと思っていました。
 マイクロクレジットの件では2つの観点でちょっと感動しています。一つは、インターネットは使い方をまちがうと情報格差を加速し、ますます貧困を増幅すれけれど、"Kiva"のような使い方をするとインターネットは貧困を救う道具にもなるということ。もう一つは、金融機関ですら、インターネットを使えば中央集権モデルからP2Pモデルに変更できるということです。

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「マイクロクレジット」~発展途上国の貧困をネット・ビジネスが救う~ への1件のコメント

  1. デジタルな広告たち のコメント:

    オバマ氏は Facebook/YouTube/MySpace をフル活用して150万人から献金を集める

    オバマ氏の公式サイトからの様々なWeb2.0系サイトへのリンク(Obama Everywhere)と、そこからリンクされているそれぞれのサイト(Facebook, YouTube, MySpace, Flickr, Digg, LinkedIn等)での支持者との接触度合いの徹底が凄すぎます。…

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