ホーキング博士、NASA記念講演で「人類はなぜ宇宙の誰からも連絡を受けなかったのか」と問題提起

Newton_2 愛読書の1つは定期購読している科学雑誌の「Newton」です。「もう理科は卒業でもいいんじゃないですか」と笑われそうですが、毎年いろいろな発見があって今まで常識だと思っていたことがどんどん変わっていく「科学」というものから目が離せないという気持ちがあります。今月の特集は、火星探査機 Phoenix の着陸にあわせたのか「宇宙論」特集ですが、今回も「ダークマターとダークエネルギー」という私にとっては新たな概念をまた一つ知りました。これはまた別の記事で書かせてもらうとして、「宇宙論」の本題の前のニュース記事にあった、宇宙論で著名なイギリスの物理学者ホーキング博士( Stephen William Hawking )のNASA50周年記念講演「何故我々は宇宙に行かねばならないのか( Why We Should Go Into Space )」という話がおもしろかったのですが、Whyweshouldgointospace_2NASAのサイトに行ってみたら、講演原稿もビデオも完備していたので原文に遡り紹介したいと思います。
 ホーキング博士のこの講演の中に、「人類はなぜ今まで、宇宙の誰からも連絡を受けなかったのだろう?」というおもしろい問題提起があり、その答えとして3つの仮説を置いていますが、3つ目の仮説がちょっとブラックな回答ですが、ホーキング博士自身は2番目であることを祈るとしています。

【 問題提起 】人類はなぜ今まで、宇宙の誰からも連絡を受けなかったのだろう?
  Why haven’t we heard from anyone out there?

【仮説1】理想的な惑星上でも原始的な生命が発生する確率が極めて低い
The probability of primitive life appearing on a suitable planet is very low

【仮説2】人類のように知性が発達する確率が極めて低い
The probability of that life developing intelligence like ours may be very low.

【仮説3】無線送信ができるまで知性が発達したら、核爆弾や他の大量破壊兵器を作る技術も持ってしまうから
When it reaches a stage of sending radio signals, it will also have the technology to make nuclear bombs and other weapons of mass destruction.


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ホーキング博士、NASA記念講演で「人類はなぜ宇宙の誰からも連絡を受けなかったのか」と問題提起 への8件のフィードバック

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