宇宙の成分のうち95%は未知の「ダークマターとダークエネルギー」からできている

Uchuseibun  Newton最新号の「宇宙論」を見て新たに知った知識は、宇宙の成分のうち5%だけが原子からなる普通の物質で、残りの95%はまだ謎だけれど、どういう種類のものかだけはわかっているそうで、それが「ダークマター」と「ダークエネルギー」というものらしい。
 「ダークマター」というのは、見えないけれど重力を周囲におよぼしている未知の重力源で、恐らく未知の素粒子が銀河や銀河団を覆うように分布しているのだろうと考えられている。これがないと、渦巻銀河の内側と外側の回転速度がほとんど変わらないことが説明できないらしい。
 また、「ダークエネルギー」というのは、宇宙空間を一様に満たしている未知のエネルギー源のようで、これがないと宇宙の膨張速度が加速していることが説明できないらしい(へぇ、宇宙って膨張してるんだとか、膨張速度って一定じゃないんだという人も多いと思いますが)。
 そして、すごいのはその正体がわからないのに、ダークマターとダークエネルギーが宇宙の成分のうち、それぞれ23%と72%だということが観測から推定されているそうです。一点、「なんでエネルギーが成分やねん」という人もおられると思いますが、アインシュタインの特殊相対性理論の帰結として有名な「質量とエネルギーの等価関係式(エネルギー=質量×光速の二乗)」があるので、本質的に同じと考えるそうです。
 このようなものすごいスケールの話もある一方、地上に目を移すと、日本では、先日「宇宙基本法」なるものが可決され、宇宙開発が「非軍事」を超えて、「非侵略の防衛目的」までよいということになり、今後、自衛隊による解像度の高い偵察衛星やミサイル防衛のための早期警戒衛星などが実施可能となったようです(この方がダークだよなぁとつぶやき)。ホーキング博士の「人類はなぜ宇宙の誰からも連絡を受けなかったのか」の第3仮説が現実にならないことを祈りましょう。


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